増田の町並み散策で見つけた"素敵な麹屋さん"

秋田県横手市増田町。この場所には明治初期から昭和30年代にかけて建てられた伝統的建造物が多く残っています。そんな素敵な町並みを散策していると、なにやら気になるお店がありました。そこでは、地域で作り継がれる麹をふんだんにつかった料理が提供されていました。

なぜ「町並み」と呼ばれてるの?

増田の町並み

なぜ「増田の町並み」と呼ばれているのだろう...。

散策をして、一番最初に抱いた疑問でした。増田の町並みはとても素敵なもので、なんといっても風情があります。町並みはどの角度から撮影してもベストショットであることは間違いなく、県内屈指の"写真映えスポット"といえるでしょう。しかしなぜ、江戸時代からの建物が残っているのでしょう。そしてなぜ「増田の町並み」と呼ばれているのでしょう。

朝市通り

毎月2・5・9のつく日に、増田町では「朝市」が開かれます

消火栓

歴史的建造物に合わせた色合いの消火栓

「増田の町並みについて詳しく知るには、詳しい方に聞くのが一番!」と思った筆者は、増田町観光協会代表理事会長の千田孝八さんに案内していただくことに。

増田町観光協会 代表理事会長 千田孝八さん

増田町観光協会 代表理事会長 千田孝八さん

千田さんに案内していただいたのは、増田観光物産センター「蔵の駅」。
ここは、金物の卸売業を営んでいた旧石平金物店(きゅういしへいかなものてん)が市に寄付された際、増田地域の伝統的な建造物を紹介・案内する施設として整備された場所。簡単に言えば、「増田町の古い町家を見学できる施設」です。(※町家:民家の一種で町人の住む店舗併設の都市型住宅のこと)

増田観光物産センター「蔵の駅」

増田観光物産センター「蔵の駅」

増田町は成瀬川と皆瀬川が合流する地点に立地し、江戸時代以前より人と物資の往来でにぎわった地域です。葉タバコや生糸の生産は、当時県内でも最大規模を誇っていました。そしてこの場所は、平成25年12月27日に文化的な価値も非常に高いとの評価を受け、「国の重要伝統的建造物群保存地区」に選定されています。「増田の町並み」と称されるこの場所は「県内有数の商業地」のことだったんですね。

正面入り口

正面入り口。裏口まで真っ直ぐ伸びています

町家の中に入るとまず目に飛び込むのは、真っ直ぐ伸びる「通り土間」。正面玄関から庭先の裏口までの距離は、なんと100メートルあるようです。
町家は、今でいう「オフィス兼住宅」のような形式なので、客や親戚などが多く入れるようにスペースが広くつくられているのが特徴です。当主のプライベートスペースは2階の小部屋か内蔵(うちぐら)のみに限られていて、出入口が表と裏にあり、「通り庭」があることも町家の特徴のひとつです。

家の中

法事なども町家の中で行われていたため、かなり広い設計となっています

内蔵

こちらは内蔵。扉は2重・3重にもなり、まるで金庫のようなつくり

どの町家の中にも「内蔵」が存在します。内蔵はその家の子供でさえも勝手には入ってはいけないスペースだったと千田さん。
内蔵の1階は、手前に板の間、奥に座敷間を配する2室構成がスタンダード。2階は、物品を収納するための「文庫蔵」がほとんどだったと推定されています。この内蔵には旅行道具や季節によって入れ替わるこたつをはじめ、日常で使用する食器類や布団などが収納されていました。

内蔵1階

内蔵1階。座敷間では大事な商談なども執り行われていたようです

内蔵2階

内蔵2階。一般的に旅行道具や食器、布団などを収納する場所だといいます

町家は当時、多くの人が入り交じり、家族以外の者も多く住まう場所でした。そのため、内蔵だけが唯一当主や家族のためだけに存在する空間であったのかもしれないと言われています。
当時の「仕事」と「暮らし」を感じることのできる増田の町家、ぜひ横手市観光の際は訪れておきたいスポットです。

DATA

施設名
【増田観光物産センター「蔵の駅」】
住所
横手市増田町増田中町103
問い合わせ
0182-45-5311
公式HP
https://www.city.yokote.lg.jp/kanko/page000107.html
営業時間
9:00~17:00